ヒグマフィーバー再び!!
田中です。
昨日8月13日、久しぶりにフィーバーしました!!!
ここ最近ヒグマの確認が減少傾向にあったのですが、
天気の回復と共に出るわ出るわ…
(ちなみに前日の天候は雨、ヒグマはちらっと1頭のみ。田中フレンズもわざわざ北広島から遊びに来てくれたのにヒグマ見れず。涙
)
霧雨の中どんちゃんと共に荷揚げからスタートです
きのこを見つけては止まり、
綺麗な苔を見つけては止まり、
戦闘力強めの荷物を背負いながらも「可愛い!」と写真を撮りまくる女子力も備えております。
のんびりと荷揚げをしつつ沼へ…
緑沼で資材を降ろし大学沼に着いてすぐに、
おお!いた!撮影準備だ!センターに無線だ!とバタバタしていると、
おやおや、そこにも!親子だ!
ん?あれ?あそこにもいない?
5分ほどで4頭も確認し無線ラッシュです。
フィーバーしてるねー!と、どんちゃんとキャッキャしてると、
ん?三笠の方にもいないか?
なんだ今日は!?と思いながら田中は高原ピークに向かいます。
ここが現在解放コースの最終地点、この岩の上で観察をしています。
※このラインを越えてちょっと写真を撮りたい、ちょっとだけ進んでもいい?等最近続けて聞かれたのですが、田中の答えはNOです!(心を鬼にしております。)
この岩の上から撮影が可能なのでこちらでお願いします!
高原ピークから更に三笠新道方面に親子を確認し
(もはやウォーリーを探せ。)
なんと本日確認されたヒグマは5組7頭!
高原ピークにも登山者の方が上がってきてヒグマを観察する事が出来ました。
そんな中本日は荷揚げボランティアの方が2名来てくださいました!!
先日のfacebookの告知から日が浅い中、早速です!!
更に増えた〜!!
緑沼で資材を降ろし高原ピークまで上がってきてくれたお二方とお話もさせていただきました。
Nさん、Hさん、ありがとうございました!次は是非一緒に作業をしましょう!!
その後なんですが、高原ピーク斜面に移動していた単独1頭が
どんどん下に降りてきている気が…なんか近くなってきている…
直線距離で200mぐらいでしょうか?
丁度登山者が高原ピークにおらず、悩んでいると左側のブッシュに入り動向がわからなくなりました。
センターに無線で相談後、大学沼から先を閉鎖しました。
ブッシュに入った後、斜面上に登ったかもしれません。
それはヒグマにしかわからない事ですが、もし降りてきて遭遇してしまったら?
いやいや、そうならない為の私たちだ。と色々な考えを巡らせた次第です。
また本日のような事は起こるかもしれません、
中にはこれくらいの距離ならまだ問題ないじゃん!と思う方もいるかもしれません。
問題が起きてからでは遅い!とゆう考えをご理解いただきご協力いただければと思います。
何はともあれ、前日の強い雨が降る中「明日の巡視辛くなるなぁ〜あああ」と嘆いていた田中と頓花。
下山時にはウハウハです。
そんなことも言ってたな〜結果晴れたし、フィーバーしたし、やなピー課長が羨むだろうな〜ふふふ〜
なんて事を思いながらセンターへ帰りました。
そしてここ最近で感じる事。
沼巡りコースはハイキングではなく登山です。
たまに「沼まで平坦なんですよね?」等聞かれるんです。
...んなわけあるかーい!!と思わずツッコミたくなります。
コースの全てを説明するのは難しいのですが
要所要所で写真を撮ってきました。
まず、センターの標高は1186mあります。(※田中調べ)
そして高原ピーク(岩の上)の標高がこちら
1508m!!
あくまでも田中調べですが標高差は322m。
それだけ登っています。
こんなところや
ここは雨が降るとぬかるみがひどい。
ここは右の岩を上がって行きますが雨の日は岩部分も水が流れる。
訪れた友人の言葉を借りると
「冒険感あった。」
下山後の登山客の言葉
「ハイキングと思って来たら登山」
「思っていたよりハードだった」
そんな言葉も聞かれる場所です!
装備をしっかり、気持ちも登山で訪れていただいた方が気持ち良い山行になるのではないかと思います!!
今後沼巡りコースを訪れる予定のある方に少しでも参考になればと思います。(山行だけに)
次回、田中のブログはヒグマ情報センターの通信環境に迫る!!の巻です
それではまた〜
登山道整備
岡崎です。
毎日のようにヒグマが観察できる沼巡りコース。
今年からヒグマセンターの管理運営をするようになって思うことがありました。
変化に富んだ環境や人の少なさ、ヒグマの多さ、素晴らしい場所だと思います。
様々な人に紹介し、人に見てもらいたいところではあります。
ただし、登山道の崩れ方と管理されてこなかった現状は本当に残念に思います。
約20年前、6年間ヒグマセンター員をしていましたが、その時と比べて驚くほどの崩れがあり、崩れた植物や無くなってしまった土壌を見て「なぜ保全してこなかったのだろう」と悔しさがこみ上げます。
登山者が歩くたびに壊れていく道は管理されているとは言えません。
これから「利用」を考えるならば、それ以上に「保全」を考えなければ「自然との共存」というのは言葉だけになってしまいます。
悔しさをパワーに変えて、できる限りの登山道整備を行なっています。
基本は荷上げから。実はヒグマセンターの地下にはたくさんの資材が眠っていました。
それでもぜんぜん足りないけれど、少しずつでも直すために毎日荷上げしています。
ボランティアの方も協力してくれました。
「仕事は休みました!何かできることはありませんか?」という力強い声掛けがあり、「では一緒にやりましょう!」ということで、初日はまずは荷上げから。
二日目はヤンベタップ沢の整備。
未だに残っていた現場足場の応急施工を整備します。
現場にある木材を使いますが・・・二人で引っ張ても重い・・
滑車を使った3倍力でも・・・重い・・
チェンブロックでようやく運搬完了。
細かいところを考えて設置。
石を詰める・・これからどうなっていくのかを考えて微妙な判断の繰り返しです。
トラバース部分が完了したら次は崩れた木柵階段。
階段部がもはや使用不能になり登山道脇を歩いて侵食が拡大していた場所。
またまた木材を引っ張り上げて・・・
基礎として設置。これに階段を作っていきます。
とても一人ではできなかった作業。手伝ってくれたボランティアのSさん、どうもありがとう。
基礎が設置出来たら次の日はきっとこうなるよ・・というイメージを作って二日目が終了。
3日目はセンター員も増員。総勢5名での作業。記録はもちろん下條さん。
川の中にある倒木を引っ張り上げる作業から。
チームのなんと心強いことか!!
それでも水の中の木材の重さは半端ではない。
使う分だけ切って運んでも重たいッス。
段取り人、作業人、テコをしてくれる人
真剣にやっているかと思いきや「すごく眠かった」そうです。
太い木材、自然の曲がり、人間には考えられない形、
自然に合わせる施工、「近自然工法」です。
完成‥ではない。ここから自然が復元し、施工物と一体になって完成です。
今年の春先、この道をどうするかと聞かれたとき、頭の中にはこの形が出来上がっていました。2か月経ってようやくできました。
ヒグマセンターの日常では、なかなか人がたくさん集まっての作業ができません。
一人では進めない施工もあります。
今回はボランティアの方が手伝ってくれる機会があって動けました。
本当にありがとう。
自分は常々思います。
いろいろな方々に素晴らしい自然環境を見てほしい、触れてほしい。
だけどそのためにはしっかりと整備し、人が歩いても崩れずに、安全に歩ける道を作らなければならないと思っています。そういう管理体制を作らなければならないと思っています。
今期からヒグマセンターでは、人知れず素晴らしい場所であった沼巡りコースの情報を発信し始めました。
「人を呼びこむが保全はしない」という管理にならぬよう、しっかりと進めていきたいと思っています。
次はショウコの沢の階段、緑沼周辺の木道整備、そして右回りコースの崩れた渡渉地点を改善していきたいと思っています。
ヒグマセンターではボランティアで作業してくれる人を募集します。
荷上げや木道作り、やる気があればいろいろな整備を体験することもできます。
できるだけ多くの方々と一緒にこの沼コースを整備していきたいと思います。
今日は受付
どうもやなぴーです。
ここに座っていることが多い気がする今日この頃です。
今日は受付係。今回はセンターの受付の様子です。
沼コースの入口、ヒグマ情報センター。今日開放しているのは左コース高原沼往復。
ここでは、ヒグマの出没状況や歩道の状況、ヒグマに出会ったときの対処法と、ヒグマに出会わないための対策などのレクチャーを聞いてから入山するシステム。
このレクチャーをするのが主な仕事です。(写真は佐久間さん)
パトロールから新しい情報が入ると最新情報が書き込まれます。
他、みんなが撮ってきた写真から展示用や沼情報誌に使う写真を選別したり、ヒグマの記録を整理したりです。
ヒグマの記録。できる範囲で個体識別してます。(これが中々キビシイ)。
10日おきに発行している沼情報誌。
山にいて事務をしているといろいろ病んでくるので気分転換に外に出ると、ヒグマを見つけたりします。
登山者や観光客が集まってくるとちょっとした観察会が始まったりして。
今日のお昼。なんと麺タイプのプロテイン。炭水化物を目の敵にしている方、オススメです。
ごまだれでいただきました。強い体を作ろうゼ(笑)
パトロールたちが帰ってきました。今日は田中さんと頓花ちゃん。
ミーティング。今日の出来事を共有します。
16:00の白雲避難小屋からの定時無線を取り、1日が終わります。
お疲れさまでした~。 やなぴー
〇〇後の感覚
こんにちは〜、どんがです。
皆さま、町の方は蒸し暑い日が続いているみたいですがお身体の方は大丈夫ですか?
こちらはとても涼しく、大阪から来た私にとってこんなに過ごしやすい7月はいつぶりでしょうか。
先週体験した初めてをひとつ…
木材の荷揚げです!
木材を背負うと右へフラフラ、左へフラフラ
バランスを取るのが難しく、いつもより慎重に歩きます。
(この状態でヒグマと遭遇しませんように…)
途中、入山者の方がいらしたので木材を下ろしパトロールへ
ザックだけで歩き出した瞬間…
「かるっっ!」
足がスイスイ動き、どこまでも歩けちゃいそうな勢いでした!
(この開放感はクセになりそうです…)
この感覚を体験したい方は是非8月のイベントにおいでください〜。
一緒に荷揚げできるのを楽しみにしてマス!
今の時期はヒグマやその他の動物たちの活動、ここだけの夏の植物が楽しめます!
涼みがてらに自然に触れてみませんか?センターにてお待ちしております〜。
(※蚊がとても多いので、虫除けスプレーやネットのご用意を。)
ではまた〜。
クマセンターな日々
こんにちは センター員の泉田です。 ヒグマセンターは今年から新しい体制に変わり、過去4人だったセンター員も8人に増えて皆それぞれが今後の進展を目指して日々 奮闘しています。 そんなクマセンターの日常をかいつまんでブログに綴っていきますので 皆様 よろしくどうぞ。
それでは〜Let's Roll!
クマセンターな朝
おはよう。朝からいい笑顔で鼻息があらいぜ、 やな🅿
さて、朝食を済ませたら仕事だ 力自慢の男塾達は2本、3本と担ぐのだが 自分は塾生では無いので一本にしておく。こいつを地道に運び整備の材料とする。毎日運ぶ
涼しげにスタスタと先をゆく頓花さん…まって〜
梅花藻たゆたう清流…見つめて一時の癒やしも束の間 ○uck'n mosquitoが半端なく攻撃してくる。 アースジェット吹いたろか!!
毎日10箇所以上刺されながら資材置き場に到着だいぶたまってきたぜ。 ところで、世の中にはシェイプアップに余念がない方々がいる様だが、これを毎日担いで運べば 貴方もスグにケツプリですよ。 センターの受け付けで申し出てくれれば背負子をお貸しします。よろしく。
緑沼で頓花さん発見。 バードウォッチングですか〜?
「全然どこにいるかわかりません」
クマセンターな昼
緑沼から歩くこと約1時間。熊五郎たちの餌場に到着! 7月は大抵この斜面で草とか食べてる…
むむ? 早速発見だ。
わかるかな〜この写真じゃわかんないだろな〜
この雪渓の右下らへんにいるんですよ。
この子です。
と、そこへ カルロス・ゴーン似のアメリカ人夫妻が到着。クマいるよ え ドコドコ?ワーオ!
はしゃぐゴーン夫妻。いい思い出ですね
ここは頓花さんにひとまず任せて、三笠新道の様子を見に行く事にする と…
おっさんグマ発見 ハラをボリボリかいている。
ひとしきりくつろいだあと下がって行ってしまった。
再び大学沼へ戻ると…
クッソ 雨が!いい天気になってきたぜ!
雨も本降りになってきたし お客さんもいなくなったので、三脚かたして撤収。 北海道に梅雨が無いなんてもはや都市伝説 気○庁も意地張ってないで北海道梅雨入りしましたって言えばいいのに。 今日は特別なこともなく平和に終わった1日でした。また自分の番がきたら何かと書き込みますのでよろしく〜 さっ 帰るぞ〜 今日の収穫はクマ2頭だ!
ヒグマとエコツーリズム
こんにちは。大雪山案内人の佐久間です。層雲峡ビジターセンターに加えて、今季はヒグマ情報センターの活動のお手伝いをしております。
今年度からヒグマ情報センターの運営主体が替わり、現場に来ないと情報が取れない「情報センター」から、積極的に情報発信をする情報センターに衣替えをしようとメンバーが頑張っており、筆不精な私も時々ブログを書くことになりました。文字ばかりになると思いますが、ご勘弁を!
さて、「情報発信をする情報センター」とともに、今後の活動の柱になるのがエコツーリズムです。エコツーリズムの定義は人によってさまざまですが、発祥の地と言われる東アフリカや中南米では、絶滅の危機に瀕する動植物を保護するのに必要な資金を、欧米から訪れる観光客が落としていくおカネでまかなうというシステムを構築し、後にそれが「エコツーリズム」と呼ばれるようになったようです。
まだ「エコツーリズム」という言葉がなかった時代に、初めてこの旅行形態を体験したのが東アフリカでした。ケニヤの首都ナイロビのスワヒリ語学校を卒業した直後、友人から「ゴリラとチンパンジーを見に行かないか?」と誘われ、類人猿に興味があったわけではなかったのですが、面白そうなので一緒に旅をすることになりました。1989年のことです。
ケニヤから、内戦が終わったばかりのウガンダに入り、世界を震撼させた大量虐殺がその後起きるルワンダを抜け、ザイール(現・コンゴ民主共和国)に入るというルートでした。現在ではあちこちで反政府勢力と政府軍の軍事衝突があり、とても旅行などできる地域ではありませんが、その当時は東西冷戦時代の末期で、かろうじて熱い戦争にはなっておらず、呑気に旅を楽しんでいました。
映画『霧の中のゴリラ』で有名なダイアン・フォッシーが研究の拠点にしていたヴィルンガ火山群のカリソケ研究センターでマウンテンゴリラを観察し、タンガニーカ湖畔・マハレ国立公園にある京大の研究施設でチンパンジーを追いかけ、ザイールでは、現・京大総長の山極壽一さんが研究拠点にしていたカフジビエガ国立公園で東ローランドゴリラを見ました。
もちろん観光ツアーなどありませんから、鉄道と路線バスを乗り継いで移動し、現地のマーケットで食料を買い出しして、薪でご飯(インディカ米)を炊くというスタイルです。ほとんど車が通らないデコボコ道を延々と歩いたり、自転車よりも遅い速度で移動するボロ船に乗ったり、ヤギや鶏と一緒にトラックの荷台に積み込まれて移動することもありました。
そんな「ツアー」でしたが、人間に最もちかいチンパンジーやゴリラと接するのはとても刺激的でした。望遠レンズがなくても写真が撮れるような距離で、シルバーバックのドラミングを見れるのですから、すごい迫力です。チンパンジーの観察は群れの中にすっかり入ってしまうので、食べているフルーツが頭上からポロポロ落ちてきます。拾って食べて見たけど、とても酸っぱくて食べれませんでした。
ルワンダやザイールでのツアー代金は当時一日100ドルでしたが、これだけの体験を得られるのであれば、貧乏旅行者でも100ドルくらいは安いものです。そしてツアー代金の一部が、絶滅に瀕している彼らの保護に役立つのであれば、何かいいことをしたような気にもなります。つまり、利用者(旅行者)と管理者がウィンウィンの関係を作れる「ハッピー産業」がエコツーリズムという仕組みです。
このエコツーリズムの仕組みを大雪山でも作れないかと考えています。気候変動の影響でダメージを受ける動植物の保護のような大問題にはいまのところ対応するのは難しいですが、年々侵食され拡幅する登山道の保全や、拉致化が進むテントサイトの植生復元、携帯トイレブースの増強のような「対処療法」には対応できるのではないかと思っています。
とくに高原温泉の沼めぐりコースは、ヒグマ情報センターが「関所」になっており、来訪者のコントロールが容易であること、亜高山帯に湿原が広がっていることから変化のある自然景観が楽しめること、ヒグマを観察できる機会が多いことなどから、新たなエコツーリズムプログラム開発の可能性が大きいと予想されます。
エコツアーの先進地では、ツアーによって生まれる雇用で、関係者が人並みの生活を送れるようになったり、ガイド収入を地元に還元することで、経済の循環も生まれています。その「はじめの一歩」として、沼めぐりコースを始めとするエコツアーを積極的に作っていきたいと考えております。みなさまよろしくお願いいたします。
3連休のおはなし
田中です。