登山道整備

岡崎です。

毎日のようにヒグマが観察できる沼巡りコース。

今年からヒグマセンターの管理運営をするようになって思うことがありました。

変化に富んだ環境や人の少なさ、ヒグマの多さ、素晴らしい場所だと思います。

様々な人に紹介し、人に見てもらいたいところではあります。

ただし、登山道の崩れ方と管理されてこなかった現状は本当に残念に思います。

約20年前、6年間ヒグマセンター員をしていましたが、その時と比べて驚くほどの崩れがあり、崩れた植物や無くなってしまった土壌を見て「なぜ保全してこなかったのだろう」と悔しさがこみ上げます。

登山者が歩くたびに壊れていく道は管理されているとは言えません。

これから「利用」を考えるならば、それ以上に「保全」を考えなければ「自然との共存」というのは言葉だけになってしまいます。

悔しさをパワーに変えて、できる限りの登山道整備を行なっています。

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基本は荷上げから。実はヒグマセンターの地下にはたくさんの資材が眠っていました。

それでもぜんぜん足りないけれど、少しずつでも直すために毎日荷上げしています。

 

ボランティアの方も協力してくれました。

「仕事は休みました!何かできることはありませんか?」という力強い声掛けがあり、「では一緒にやりましょう!」ということで、初日はまずは荷上げから。

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二日目はヤンベタップ沢の整備。

未だに残っていた現場足場の応急施工を整備します。

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現場にある木材を使いますが・・・二人で引っ張ても重い・・

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滑車を使った3倍力でも・・・重い・・

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チェンブロックでようやく運搬完了。

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細かいところを考えて設置。

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石を詰める・・これからどうなっていくのかを考えて微妙な判断の繰り返しです。

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トラバース部分が完了したら次は崩れた木柵階段。

階段部がもはや使用不能になり登山道脇を歩いて侵食が拡大していた場所。

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またまた木材を引っ張り上げて・・・

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基礎として設置。これに階段を作っていきます。

とても一人ではできなかった作業。手伝ってくれたボランティアのSさん、どうもありがとう。

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基礎が設置出来たら次の日はきっとこうなるよ・・というイメージを作って二日目が終了。

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3日目はセンター員も増員。総勢5名での作業。記録はもちろん下條さん。

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川の中にある倒木を引っ張り上げる作業から。

チームのなんと心強いことか!!

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それでも水の中の木材の重さは半端ではない。

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使う分だけ切って運んでも重たいッス。

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段取り人、作業人、テコをしてくれる人

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真剣にやっているかと思いきや「すごく眠かった」そうです。

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太い木材、自然の曲がり、人間には考えられない形、

自然に合わせる施工、「近自然工法」です。

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完成‥ではない。ここから自然が復元し、施工物と一体になって完成です。

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今年の春先、この道をどうするかと聞かれたとき、頭の中にはこの形が出来上がっていました。2か月経ってようやくできました。

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ヒグマセンターの日常では、なかなか人がたくさん集まっての作業ができません。

一人では進めない施工もあります。

今回はボランティアの方が手伝ってくれる機会があって動けました。

本当にありがとう。

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自分は常々思います。

いろいろな方々に素晴らしい自然環境を見てほしい、触れてほしい。

だけどそのためにはしっかりと整備し、人が歩いても崩れずに、安全に歩ける道を作らなければならないと思っています。そういう管理体制を作らなければならないと思っています。

今期からヒグマセンターでは、人知れず素晴らしい場所であった沼巡りコースの情報を発信し始めました。

「人を呼びこむが保全はしない」という管理にならぬよう、しっかりと進めていきたいと思っています。

次はショウコの沢の階段、緑沼周辺の木道整備、そして右回りコースの崩れた渡渉地点を改善していきたいと思っています。

ヒグマセンターではボランティアで作業してくれる人を募集します。

荷上げや木道作り、やる気があればいろいろな整備を体験することもできます。

できるだけ多くの方々と一緒にこの沼コースを整備していきたいと思います。