ドローンの使用について
高原温泉沼巡り登山ではドローンの使用を規制しています。各機関の許可を取れば飛ばすことはできるのですが、ヒグマとドローンの関係が不明確である状況では影響を想定してヒグマ出没時は自粛してもらっています。親子熊の近くまでドローンを飛ばした時にはどんな状況になるか、ちょっと恐ろしいですね。
ヒグマセンター員も飛ばすことはありますが、夏も秋もほとんど使えません。夏はヒグマが暮らしているから。秋は登山者が多いから。なかなか飛ばすチャンスは少ないですが、安全管理にもヒグマの生態調査にも大きく活用できるので使いたいのですがね・・。
ドローン使用の場合は必ずヒグマセンター員に声掛けをお願いします。
<ドローンについて思うこと>
大雪山・山守隊及び北海道山岳整備では各機関の許可を取りドローンを使っての情報収集を行なっています。
以前から、この機器はこれからの山岳管理に大いに役立つものと考え、積極的に活用するようにしています。観光アピールとしてもドローンの映像はなくてはならないものとなり、個人的に使用する人も増えてきました。
ですが、現状では国立公園内でのドローンのルールはほとんど定められておらず、許可をとればかなり自由に飛ばすことができてしまいます。登山者への配慮も野生動物への配慮も明確なものはなく、ヒグマをドローンで追いかけても罪には問えない状況です。規制というよりはお願いという感じでしょうか。
おそらく、そう遠くない将来には、きちんとした利用ルールが定められていくとは思いますが、現状でのトラブルを防ぐためにも、自主ルールを定めて使用することにしています。
・登山者がいるときは出来るだけ使わない
・利用の時には腕章や利用解説を示し、理解を得る
・野生動物を追いかけない(動物が近くにいるときにも使わない)
・個人的に楽しむものとして使用しない
などなど当たり前と思われることさえ、明確なルールが弱いのが現状です。
ネットでの様々な映像を見ると、ドローンに追いかけられて必死に逃げる動物たちの映像があります。ドローンなど気にしないも動物もきっといるでしょう。繁殖期など時期によっては致命的なこともあるでしょう。ドローンと野生動物の関係はまだまだ分かっていないことが多すぎます。人間にとってはとても見識が広がる道具ですが、自然環境にとっては全く必要のないものです。ルールが明確化されていないということは、使う人の人間性が試されている時期だと思います。
以前、登山者がほとんどいない場所で登山道の調査で利用したことがありました。たまたま通った登山者は挨拶も返すことなく、無言で通り過ぎました。かなりご立腹させてしまったようでした。あとから直接連絡があり、お互いの状況を説明し理解を得ることができましたが、様々な場所でルール無用の使用が行なわれていて、ドローン使用に嫌悪感を持つ登山者も多いと思っています。ドローンがたくさん飛びまわっている山は不快になります。自然にも人にも配慮が必須だと思います。
とは言え、登山道整備にも、植生調査にも、安全管理にも、今までの視点が大きく変わり、様々な利点がある道具なので、使わないのはもったいないほど。
使い方を考えつつ、利用と保全のバランスがとれるよう活用していきたいと思っています。おかざき