ヤンベの橋架け
岡崎です。登山道整備担当です。
沼巡りコースは整備しなければならない個所が多数ありますが、大きな問題個所として右コースの豪雨により道が崩れてしまった場所と、ヤンベの橋があります。
今回はヤンベの橋を整備しました。
昔は太い木製の橋が架かっていたのですが、豪雨による崩れで傾たいたり流されたり、ここ数年は単管パイプと工事現場足場による仮設の橋が設置されていました。
北海道山岳整備の指針としては、
・自然の景観に見合った施工をするべき
・傾きや崩れはその都度補修するべき という考えがあります。
単管パイプの施工もしょうがないとは思いますが、素晴らしい自然環境の中にあるべきものではない、と思いました。
というわけで、現地を見て、辺りを観察し、再整備の計画を立てます。
自然の雰囲気を壊すことなく、できるだけ現地の資材を使って。
現地で資材が取れるかどうかは大問題。7m近い、がっしりした木材が必要です。
・・・探すとあるもんです。登山道脇に真っすぐの良い木が。
雪のある時期に引っ張り出して・・
この太さであれば半割で使えるので、半分に割ります。
割れました。
現場まで600mの移動。このくらいなら、人力運搬できるべ・・と考えていたのですが、力持ち3人がかりで300mほど運搬したところで力尽きました・・。
すぐにやり方を変更。人力から機械へ。
荷上げは必要だけど、これならば重たくても何とかなる。
打合せ。
「最初からこれでやってくれよ!」と言われながら、スムーズに運搬できる!!
イヤイヤ、苦労はしておくものです・・・。
道具を貸してくれた「クラークホースガーデン」のクラークさん、どうもありがとう!
現場到着。ここでも木材確保。
チェンブロックとワイヤーで川から引きずり上げる!ガンバるやなぴー課長!
また半分に・・
割れました!
おしゃれです。
これを設置場所まで移動。簡単には動きません。
まずは5.5mの橋架けから。
微調整をしながら設置。
更に微調整。木材の反りが逆だから結構苦労します。
仕上げを考えてバランスをとる。だいたいこんなもんかな。
不安無くイケそうです。
次は7.5mの橋架け。
土台の石組み作業から始まります。大石を積んで高さを出さないと、水量が増えたらすぐに流されてしまいます。
作業者で作戦会議。
作業の意味を理解してくれないと、危ないんです。しっかりと説明。
この作業は楽しいから好きです。
環境省の職員も手伝ってくれました。どうもありがとう。
途中、こんな作業や・・
こんな作業もしながら・・
完成!!幅も広く、不安なく歩けます。
すれ違いも問題なし。
3人乗ってもびくともしません。
もう少し仕上げをしますが、通行には全く問題なく仕上げりました。
これだけ努力はしたけれど、豪雨があればこの橋はきっと流されるでしょう。
だけど流されたものをすぐに元通りに出来るチームが出来ました。
登山道において、壊れない施工物も大事ですが、川の力は凄まじいもの。
大きな力には対抗するのではなく、壊れたらすぐに再生させる技術力を持っておくことこそ大事だと思っています。
ヒグマセンターを運営することで、技術を持った凄いチームが出来そうです。
これからが楽しみです。